井の頭弁財天

井の頭公園の歴史(41)

井の頭弁財天は、井の頭池の西南側、弁天池と呼ばれる一角に浮かぶ小島に建っています。島と言っても岸に隣接しており、長さ数メートルの石橋(太鼓橋)で結ばれています。創建は古く、古文書「神田御上水源井之頭弁財天略縁起」によれば、天慶年間(938年-947年)に源経基が伝教大師の作という弁財天女像をこの地に安置したのが始まりと伝えられています。現在の本堂は昭和初期に再建されたもので、朱塗りのお堂が周りの井の頭の自然と溶け合い、四季折々美しい佇まいを見せてくれます。

ご本尊は8本の手を持った八臂像で、大変優しいお顔をした美しい姿をされています(公式サイトより)。普段は公開されていませんが、12年に一度、巳年(次回は2025年)にご開帳されます。本堂の横には、七位不動尊や銭洗い弁財天、顔は人、胴体は蛇という不思議な姿をした宇賀神像があります。

江戸時代には、井の頭池が江戸市民の飲み水の源泉となっていたことから、水の神でもある弁財天はその守り神として幕府に手厚く遇され、多くの江戸市民が参詣に訪れました。周辺には、江戸の人たちによって寄進された石階段、石灯籠などが今も残っています。階段の基石や石灯籠には、寄進した町名や団体名、商人・職人の名前が刻まれており、江戸町人の心意気や往時の弁財天の賑わいが忍ばれます。

井の頭池のボートに恋人同士で乗ると、弁天様が嫉妬してそのカップルは別れる、という怖い都市伝説を聞いたことがある方も多いと思います。でも心配ご無用、弁天堂の入り口にある太鼓橋は「縁結び」のパワースポットなのです(諸説あり)。ボートに乗った後は二人で太鼓橋を渡って弁天様にお参りして帰りましょう。

井の頭弁財天
井の頭弁財天
Posted by あか井の

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